◆総評
章ごとの導入や引きが面白く先が気になる良作。
エンディング、キィが「こちら」に語りかけてくれるのもED曲も素晴らしかった。制作者の意図通り、元気づけて頂きました。あのキィがここまで成長したというのも感慨深かったものです。
「カリギュラ3」が出れば間違いなく購入するでしょう。
ただ、「主人公が一般通行人から偶さか選ばれただけ」であることと「主人公が空気」であることの差はきちんと考えて貰いたかったです。キャラエピソードでもキィ主体なチャプターが多く、WIREと友好度★の掛け合いで随分緩和されていますが、制作者はキィと茉莉絵（特に茉莉絵）を描きたかったのだろうという印象は拭えませんでした。
作品テーマ上主人公が「えらばれしゆうしゃ」ではないのは大事にして欲しいですが、別段「僕の考えたいっとう可哀想な境遇のヒロインちゃん推し」には興味がありません。主人公＝あなた作品でありがち過ぎて辟易しています。
◆章ごと
・プロローグ～1章
ダンジョンが……ダンジョンが長い！
「永遠の銀」は間違いなく良曲ですが、聞き疲れを起こしました。以降のダンジョンは概ねそんな感じ。
線路を歩けるのは正直テンション上がります。
この頃はまだ（こいつが半身か……）となるキィ。
ところで、全体的に選択肢少なめ（回数も一つの選択で選べる数も）かつ、振り幅少なめなんですよね。そのせいでキィの後悔への問いかけにすごく困るっていう……フレーバー程度の意味しかないので気にしないという手もありますが、作品テーマ的には残念。
・2章
パンドラの心象を反映してかやや暗めの植物園。個人的にはもう少し爽やかだと好み。
ところで私はパンドラさんの見た目がすんごい好みなので出てくるたび嬉しいです。やってることは八つ当たりなので景気よくカタルシスエフェクトで殴らせて貰うが。
ところで箱崎女史いるのにここのクエスト酷くないですか。殴っていいかな。
・3章
初見のコスモラビリンスは思い出したくないやつ。
ところでここはメインエピソード内で男女差分入れて欲しかった箇所筆頭かもしれません。声つきの男女差分パートって少ないですよね。
しかしブラフマンがあぁなるとはこの時夢にも思わなかった。
2章に続き、捕縛術目当て＆リスクシナジーで切子を入れることが多かった章。
・4章
容姿一番好みの#QP回。爆乳の星の人なので胸囲重視なのはありますし、カラーリングもかわいい系のピンク＆フリル付きとかファッションも好みですし、したたかなことを隠していないのも好きですね。あれでもっと男連中にえー私これが素ですぅ～って態度なら吟の肩を持っていたでしょう。
学園生活感が楽しい休憩と仕込みの章って感じですね。お化け屋敷は全員分見ましたとも。
ささら好きなのにタンクとして上手く使えずダッシュとファストプロテクト頼み。色々組み合わせを試していました。
・5章
病院ダンジョンとか苦手なことが多いですが、ホラー感なくて助かった章。
しかしリグレットがあぁなるとは以下同文。
ここで話を聞く選択肢も（予算があれば）用意されていたら面白かったのですが。マルチエンド形式で「1ここでリグレットの話を聞くルート＆エンド」「2茉莉絵を殺すエンド」「3いわゆるトゥルーエンド」それぞれスタッフロールと曲を流して優劣をなくして。選択が重要な作品という割にはそれのゲーム的なフィードバックが薄いのも総評に繋がっているので。インタビューで言っていたような完全バッドエンド処理でなくて本当に良かった。予算がないのは承知していますが、本当にそうなっていたら茉莉絵贔屓が過ぎるのでは？と苦言を呈していたことでしょう。
吟と小鳩のシナジーに相変わらず捕縛術目当ての鐘太チームでした。
・6章
車椅子インパクトと小鳩先輩モーションが全て持って行くんですよクランケさん……。
クランケとは知り合いにはなりたくないけど先生とは実に幸せになって貰いたいので、現実に戻ったら頑張ってね。
5章でも触れましたが、明らかにそちらを選んだら制作者の意図にそぐわないのだろうという雰囲気しか見えないのは「重要な選択」ではありません。それのためだけに主人公がナイフの使い手なのもちょっと。
二胡へのプレイヤー好感度が高まったため、吟と小鳩と二胡を編成するようになり、以降ずっと変わらず（友好度のために一度茉莉絵を組み入れたか）。
・7章
大体カメラワークのせいで隠れづらい章。
二胡の地雷を立て続けに踏み抜く件が印象的。あと、件って設定上小柄っぽいと思っていたのでそこそこあって驚きました。私は150cm以上は小柄じゃないんだよという低身長過激派です。
マップ埋めたいマンのため、マスターキィで戻ってくるとマップを埋められるのが良かったです。
・8章
いい感じにはしょってくれているのにそれでも長いエピメテウスの塔……。ただ、フィールドトークが充実していてとても楽しいダンジョンでもありました。
ところでフィールドトークはこっちに話題を振って終わりみたいな形式があってもいいと思いました。部長ぼっち。
