カプ厨で夢厨で厨二病で高二病なオタが好きな物を欲望のままに書いています。

2019年11月13日水曜日

小説版「レイジングループ 7 不在の神」感想

 良作の欠点がほぼほぼ潰されて還ってきて心から嬉しいです。
 ノベライズ一冊目で(ゲームでいいかな……)と色んな意味で思った私のような人にも読んで戴けたらと思える最終巻に仕上がっていると思います。


 終盤以前の展開は全て睡眠を忘れるほど面白いもので、インタビューなどでライター氏が語る影響を受けた作品群を思い起こさせる部分に関しても(ああ、これはあの作品のオマージュ(とかリスペクトとかインスパイアとか)なのだろう。もしかして年代近いのだろうか)と前向きに読めました。
 残念なことに休主の人々を説得するくだりからは、きつい言い方になりますが「劣化○○落とし」としか感じられなかった。
 だからこそ今回のリライトはとてもとても嬉しかったし、大満足です。
(同時にあの陰陽師の語りにみつしり尺を採る必要性が改めて感じられました。お互いの知識や前提のすりあわせを改めて行う必要性というか)
 
 正直言うと、いわゆるお布施として購入した1を読んだ際の感想が上記のようにあまりポジティブなものではなかったため、以降は手に取りませんでした。
 その一つである、多人物の会話になると地の文による表情声色の表現が足りないせいで誰が喋っているか判じづらくなる欠点は最終巻まで解決されずじまいだったものの、終盤のものたらなさは随分と保管されていて読み応えあり。そこが気になって離れていた方にも薦めたい。圧巻です。是非是非。私は以前の巻を今から買います。
 
 今回のリライトでやや不遇な多恵ばあちゃんにもスポットが当たっていたのには思わずニッコリ。
 ゲームではどうしても割を食っていたので。回末様が! キョヒー!等々。
 ところで初恋の君って、あの人ですよね。そうすると彼がどうなったか気になるけれど……まあひめさまは(ゲームなんでかみさまとしてのですが)ゲームエクストラ見る限り休主住人と(その親しい相手)に結構甘いから平気でしょう。そうだといい。
 
 挿絵的にも納得の選択。清之介好きなのであれはガッツポーズものでしたしココは外せないだろう狼面陽明もあった。美辻も好きなのでピンショットはありがたい。ラストのツーショットは言葉にならない。しかし敢えて言う。千枝実エロ可愛い。サイドのウェーブいいね! 陽明の気を抜いた笑みもいい。
 
 
 また私は単体キャラ萌えなら男は陽明……いや清之介かな、女は李花子が特に好きで、カップル萌えならはるちえ(陽明×千枝実)と、きよりか(清之介×李花子)始めループ終了ルートで成立しそうなカップルは全部好きという超絶クソカプ厨ですが、その部分でもかなり満足度が高かった。完全に芽が摘まれてしまうかと危惧していたので。私の中では四組カップルわちゃわちゃ路線です。
 
 さて李花子さん好きなのは前述の通り。彼女のような女キャラが好み。種子や土壌はそれ以前に用意されていたものの芽吹いたのは間違いなく某陰陽師作品のせい。
 そんな私でも清之介さんの「彼女を物みたいに~」のくだりはゲーム中の描写だけだと鼻についていたため、李花子さんとの対決に大きく手が入っていたのはamphibian氏に感謝したいです。
 というか、そういう眉をひそめた箇所は本当に丁寧に滑らかにされてますね。めー子や美辻関係もレイジング~の範囲内で収まる描き方になっている。とんでもない苦労が言われずとも透けて見えます。お疲れ様です……。
 
 また千枝実絡みもちょこちょこフォローあった(ように見えた)ので、良かったです。あの描写では李花子さん春ちゃんひめさまに色々と負けるであろうと常々思っていたため……。(あまりファンコミュニティ見るの得意ではないため実際はどうか知りませんが)
 ただタンデム旅行は!?ともなりましたんでむ。一時間って。
 
 ひとまず「レイジングループ」の展開はこれでおしまいでしょうか。
 amphibian氏の次作、物語やキャラの造形含めた方向性がどうなるのか。来年ぐらいに公式チェックしたら情報あるかな。
 個人的な趣味を言うのであればギャグの頻度・程度は今作ぐらいが(時折踏み外しも見受けられるものの)過度すぎず読みやすいです。絵柄や作風は決めすぎてもお互いに息苦しくなるところなので、考えない方向で。